column

―歯ぎしりは、医学的にはブラキシズム（bruxism）という名前で知られてい

ます。

これは、無意識のうちに歯を強く噛みしめたり、こすったりする状態を指します。歯ぎしりは一般に睡眠中に発生しますが、日中に起こる場合もあります。これによって歯が損傷したり、顔面筋肉の痛みを引き起こすことがあります。

▼歯ぎしりの原因

歯ぎしりはストレスや不安、集中力の要求される作業などの緊張状態から発生することがよくあります。また、ライフスタイルの要素（たとえばアルコール摂取、カフェイン、タバコ、特定の薬物）や特定の医療状態（睡眠障害、ADHD、パーキンソン病など）も関与することがあります。

▼顔面筋肉の痛み

歯ぎしりによって顔面筋肉に過度のストレスがかかると、筋肉痛や筋肉の緊張を引き起こすことがあります。特に、顎の筋肉（咀嚼筋）は最も影響を受けやすい部位で、この痛みは耳の痛みや頭痛、顎関節症状（TMJ症候群）を引き起こすこともあります。

▼対策

①ストレス管理：ストレスが歯ぎしりの主な原因である場合、リラクゼーションテクニック（瞑想、深呼吸、ヨガなど）やカウンセリング、適切な睡眠の確保が有効です。

②マウスガードやマウススプリント：これらは歯ぎしりを抑えるために一般的に使用されます。寝ている間にこれらのデバイスを使用することで、上下の歯が接触するのを防ぎ、歯や顎に対する圧力を軽減します。

③物理療法：歯ぎしりによる顔面筋肉の痛みに対して、物理療法も有効な手段です。これには、ストレッチング、筋肉のリラクゼーション、痛みを和らげる為の冷却パッドの使用は筋肉の緊張と痛みを和らげるのに有効です。また、専門家によるマッサージや特定のエクササイズも顔面筋肉の痛みを緩和するのに役立つ場合があります。

④生活習慣の変化：アルコールやカフェインの摂取を控える、硬い食物を避ける、噛むガムの習慣をやめるなど、特定の生活習慣の変化は歯ぎしりを減らすのに寄与することがあります

⑤行動療法：歯ぎしりの習慣を認識し、意識的に顎の位置を調整することで歯ぎしりの癖を改善することができる場合があります。これは、行動療法の一種で、専門家の指導が必要です

⑥薬物療法：一部の場合、リラクゼーションを促進する薬物や筋肉弛緩剤が短期間だけ処方されることがあります。しかし、これらの薬物は長期的な解決策とはならず、副作用のリスクもありますので、医師の指導の下で使用する必要があります。

常に歯ぎしりの問題は、歯科医師や医師と相談することが重要です。彼らは症状の原因を特定し、最適な治療法を推奨してくれます。歯ぎしりは適切な介入によって管理可能な状態ですが、無視すると歯の損傷、顔面の痛み、睡眠の問題など、より深刻な問題を引き起こす可能性があります。