親知らずの抜歯後の縫合は、傷口の治癒を助け、感染リスクを減らすために重要な手順です。以下に、術後の縫合方法とその目的、注意点について詳しく説明します。

1. 縫合の目的

• 出血の制御: 抜歯後の出血を抑えるために縫合を行います。これは血餅が形成されるのを助け、自然治癒を促進します。
• 感染予防: 傷口を閉じることで、食べ物や細菌が入り込むのを防ぎ、感染リスクを減少させます。
• 治癒促進: 縫合により組織がしっかりと固定されるため、傷口が早く治癒します。また、周囲の組織が安定しやすくなります。

2. 縫合の方法

• 吸収糸と非吸収糸: 縫合には吸収糸（自然に溶ける）と非吸収糸（後で取り除く必要がある）の2種類があります。親知らずの抜歯後には主に吸収糸が使用されますが、場合によっては非吸収糸も使用されます。
• 糸のタイプ: 吸収糸にはポリグリコール酸やカプロラクタムが一般的に使用されます。これらは体内で分解され、自然に吸収されます。
• 縫合の技術: 通常、親知らずの抜歯後にはシンプルな縫合技術が用いられます。これは、傷口の両端をしっかりと結び、緩みを防ぐためのものです。外科医は患者の状態や傷口の大きさに応じて最適な技術を選びます。

3. 縫合の手順

1. 止血: 抜歯後、最初に止血を行います。ガーゼを使用して圧迫止血を行い、出血が収まるのを待ちます。
2. 縫合の準備: 傷口を清潔に保つために、生理食塩水で洗浄します。その後、縫合糸と針を準備します。
3. 糸の挿入: 傷口の端から針を挿入し、反対側に抜きます。これを繰り返し、傷口全体を縫合します。
4. 結び目の形成: 縫合糸を適度に引き締めて、結び目を形成します。糸が緩まないように注意しながら、しっかりと結びます。
5. 最終確認: 縫合が終わったら、再度傷口を確認し、必要に応じて追加の止血処置を行います。

4. 術後のケア

• 口腔内の清潔: 抜歯後は口腔内を清潔に保つことが重要です。歯磨きは優しく行い、傷口に触れないように注意します。
• うがいの注意点: 強いうがいは避けます。塩水や抗菌性のうがい薬で軽く口をすすぐ程度にします。
• 食事の注意: 硬い食べ物や刺激物は避け、柔らかい食べ物を選びます。温かい食べ物や飲み物は避け、冷たいものを摂ると腫れを和らげます。
• 痛みの管理: 処方された痛み止めを適切に使用し、痛みを管理します。腫れがひどい場合は、氷嚢を使用することも効果的です。

5. フォローアップ

• 縫合糸の確認: 吸収糸は自然に溶けますが、非吸収糸の場合は約1週間後に歯科医で取り除きます。異常がある場合や不快感が続く場合は、早めに歯科医に相談します。
• 定期検診: 抜歯後の治癒状況を確認するために、定期的な検診を受けることが推奨されます。

親知らずの抜歯後の縫合は、適切な治癒を促進し、感染リスクを減少させるために非常に重要です。歯科医の指示に従い、適切なケアを行うことで、術後の回復をスムーズに進めることができます。