親知らずの抜歯は上と下どっちが痛い?痛みや腫れの違い、抜歯後の過ごし方
「親知らずを抜くなら、上と下どっちが痛いの?」
「下の親知らずは腫れやすいと聞いて不安…」
親知らずの抜歯を控えている方の中には、このような不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
一般的には、下の親知らずの方が痛みや腫れが出やすい傾向があります。ただし、上だから必ず楽、下だから必ず強く痛むとは限りません。生え方や歯ぐきの腫れ、虫歯の状態、神経や副鼻腔との位置関係によって、抜歯の難しさは変わります。
大切なのは、上下だけで判断せず、自分の親知らずの状態を事前に確認することです。
当院では、患者さんとのコミュニケーションを大切にし、痛みへの配慮や治療にかかる費用、期間についても事前にわかりやすくお伝えしています。
この記事では、親知らずの抜歯は上と下でどちらが痛みやすいのか、痛みや腫れの違い、抜歯後の過ごし方を解説します。

親知らずの抜歯は上と下どっちが痛い?

親知らずの抜歯で上と下のどちらが痛みやすいのかについて説明します。
一般的には下の親知らずの方が痛みやすい傾向
親知らずの抜歯では、一般的に下の親知らずの方が痛みや腫れが出やすい傾向があります。
下あごの骨は上あごより硬く、歯が骨の中に埋まっているケースも少なくありません。横向きや斜め向きの場合は、歯ぐきを切開したり、歯を分けて取り出したりすることもあります。
処置の範囲が広いほど、抜歯後の痛みや腫れは出やすくなるでしょう。口が開けにくい、飲み込みにくいといった症状が出る方もいます。
ただし、下の親知らずでも、まっすぐ生えていて短時間で抜ける場合は痛みが軽く済むこともあります。上か下かだけでなく、歯の向きや埋まり方も大切な判断材料です。
上の親知らずでも痛みが出るケース
上の親知らずは、下に比べると抜歯しやすいケースが多いとされています。
上あごの骨は比較的やわらかく、まっすぐ生えていれば短時間で抜けることもあるためです。抜歯の負担が少なければ、術後の痛みや腫れも軽く済みやすいでしょう。
一方で、上の親知らずでも痛みが出ることはあります。歯の根が曲がっている、奥深くに生えている、虫歯で歯が崩れている場合は注意が必要です。
抜歯前から歯ぐきに炎症があると、麻酔が効きにくく感じることもあります。上だから必ず楽とは限らないため、事前の診断が大切です。
痛みの強さを左右する生え方や炎症の有無
親知らずの抜歯の痛みは、上下の違いだけで決まるものではありません。
痛みや腫れの出方には、生え方や炎症の有無、虫歯の進行具合などが関係します。抜歯に時間がかかるほど、術後の負担も大きくなりやすいでしょう。
痛みが出やすい親知らずには、次のような特徴があります。
- 横向きや斜め向きに生えている
- 歯ぐきの中に深く埋まっている
- 抜歯前から腫れや痛みがある
- 虫歯で歯が大きく崩れている
- 歯の根が曲がっている
このような状態では、歯ぐきや骨への処置が必要になる場合があります。処置が複雑になると、抜歯後の痛みや腫れも出やすくなるでしょう。
反対に、上下どちらでも、まっすぐ生えている親知らずは比較的スムーズに抜けることがあります。痛みが不安な方は、自分の親知らずの状態を事前に確認しておくと安心です。
関連記事:【初心者向け】親知らずの抜歯手術の前後に知っておきたいこと!
上の親知らずと下の親知らずの違い

上と下の親知らずでは、骨の硬さや神経、副鼻腔との距離によって抜歯の難しさが変わります。
骨の厚みや歯の根の形の違い
上と下の親知らずでは、周囲の骨の硬さや厚みに違いがあります。
上あごの骨は比較的やわらかく、まっすぐ生えていれば抜歯しやすい傾向です。歯の根が大きく曲がっていなければ、処置時間も短く済むことがあります。
一方で、下あごの骨は硬く、親知らずがしっかり支えられています。横向きに埋まっている場合は、骨を削ったり、歯を分割したりする処置が必要になるでしょう。
また、根の形も抜歯のしやすさに関係します。根がまっすぐで短ければ抜きやすい一方、曲がっている場合は慎重な処置が必要です。
上下の違いだけでなく、骨の状態や根の形を確認することが大切です。レントゲンやCTで位置関係を把握すると、抜歯の難しさを判断しやすくなります。
神経との距離に注意が必要な下の親知らず
下の親知らずでは、あごの骨の中を通る神経との距離に注意が必要です。
下あごには、下歯槽神経(かしそうしんけい)が通っています。下唇やあご先の感覚に関わる大切な神経です。
親知らずの根が神経に近い場合、抜歯の際は慎重な判断が求められます。距離が近いほど、しびれなどのリスクを考える必要があるためです。
特に、親知らずが深く埋まっている場合や、根が神経に重なって見える場合は注意しましょう。必要に応じてCTを撮影し、立体的に位置を確認します。
下の親知らずが痛みやすい背景には、骨の硬さだけでなく神経との位置関係もあります。事前にリスクを確認することで、不安を減らしましょう。
副鼻腔との位置関係に注意する上の親知らず
上の親知らずでは、副鼻腔との位置関係にも注意が必要です。
上あごの奥には、上顎洞という副鼻腔の一部があります。上の親知らずの根がこの空洞に近い場合、抜歯後に鼻の違和感や空気の漏れが起こることがあります。
頻繁に起こるものではありませんが、根の先と副鼻腔の距離が近い方は慎重な処置が必要でしょう。抜歯後に鼻を強くかまないよう案内される場合もあります。
上の親知らずは、下より抜きやすいケースが多いとされています。ただし、すべてが簡単に抜けるわけではありません。
根の形や副鼻腔との距離によって、処置の方法や術後の注意点は変わります。上の親知らずでも、事前に画像で位置関係を確認しておくと安心です。
痛みが強くなりやすい親知らずの特徴

痛みや腫れが強く出るかどうかは、親知らずの生え方や抜歯前の状態によって変わります。
横向き、斜め向き、歯ぐきに埋まっている親知らず
横向きや斜め向きの親知らずは、痛みや腫れが出やすい傾向があります。
まっすぐ生えている場合より、抜歯の処置が複雑になりやすいためです。歯ぐきに埋まっていれば、切開して取り出すこともあります。
骨の中に深く埋まっている場合は、骨を少し削る処置が必要になるでしょう。そのまま抜けないときは、歯を分けて取り出します。
処置の負担が大きいほど、術後の痛みや腫れも出やすくなります。特に下の親知らずは、横向きに埋まっているケースも少なくありません。
抜歯前に画像検査で生え方を確認しておくと、術後の経過もイメージしやすくなります。
抜歯前から腫れや炎症がある親知らず
抜歯前から歯ぐきが腫れている親知らずは、抜歯後の痛みが強くなることがあります。
親知らずの周囲に炎症があると、組織が敏感になっているためです。歯ぐきの腫れ、膿、噛んだときの痛みがある場合は注意しましょう。
炎症が強いと、麻酔が効きにくく感じることもあります。まず薬で炎症を落ち着かせてから、抜歯する場合もあります。
親知らずの周囲で起こる炎症は、智歯周囲炎と呼ばれます。歯の一部だけが出ている状態では、汚れがたまりやすく、炎症を繰り返しやすいでしょう。
痛みがあると早く抜きたいと感じるかもしれません。状態によっては、炎症を抑えてから抜歯の時期を判断することが大切です。
虫歯で歯が大きく崩れている親知らず
虫歯で大きく崩れている親知らずも、抜歯が難しくなる場合があります。
歯をつかむ部分が少ないと、器具をかけにくくなるためです。歯がもろい場合は、抜歯中に割れたり、根だけが残ったりすることもあります。
根だけが残っている親知らずでは、歯ぐきを開いたり、周囲の骨を調整したりする処置が必要になるかもしれません。
また、虫歯が進んだ親知らずは、周囲の歯ぐきに炎症を起こしていることもあります。炎症と歯の崩れが重なると、より慎重な処置が必要です。
親知らずは、痛みが少ないうちは放置されることもあります。しかし、大きく崩れてからでは抜歯の負担が増えやすくなります。
抜く可能性がある親知らずほど、早めに状態を確認しておくと安心です。虫歯の進行具合や根の状態を見たうえで、抜歯方法を相談しましょう。
親知らず抜歯中と抜歯後の痛みの違い

抜歯中の痛みと麻酔が切れた後の痛みは、感じ方や出るタイミングが異なります。
抜歯中は麻酔で痛みを抑える処置
親知らずの抜歯中は、局所麻酔で痛みを抑えてから処置を行います。
麻酔が効いていれば、抜歯中に強い痛みを感じることは多くありません。ただし、押される感覚や引っ張られる感覚、振動を感じることはあります。
この感覚を痛みと勘違いして、不安になる方もいるでしょう。痛みではなく圧迫感として出ることが多く、処置中に感じ方を伝えることも大切です。
炎症が強い親知らずでは、麻酔が効きにくく感じる場合もあります。その際は麻酔を追加したり、炎症を落ち着かせてから抜歯したりすることがあります。
痛みに弱い方や不安が強い方は、事前に歯科医師へ伝えておくと安心です。処置中の合図を確認しておくと、緊張もやわらぎやすいでしょう。
麻酔が切れた後に出やすい痛み
親知らずの抜歯で痛みを感じやすいのは、抜歯中よりも麻酔が切れた後です。
抜歯によって歯ぐきや骨の周囲に刺激が加わるため、時間がたってから痛みや腫れが出てきます。特に下の親知らずや埋まっていた親知らずでは、術後の症状が強くなることがあります。
痛みのピークは、抜歯当日から2〜3日ほどに出やすいでしょう。腫れは翌日から目立ちはじめ、2〜3日目に強くなるケースもあります。
順調に回復していれば、痛みや腫れは少しずつ落ち着いていきます。日ごとに軽くなっているかどうかが、経過を見る目安です。
抜歯後の痛みが不安な場合は、麻酔が切れる前に痛み止めを使うよう案内されることもあります。処方された薬の使い方を守り、無理に我慢しないようにしましょう。
痛み止めの使い方と受診の目安
抜歯後の痛みは、処方された痛み止めを正しく使うことで和らげやすくなります。
痛みが強くなってから飲むより、指示に沿って早めに使う方が楽に過ごせることもあります。特に麻酔が切れはじめる頃は、痛みが出やすい時間帯です。
痛み止めは、決められた量や間隔を守りましょう。効きが悪いからといって、自己判断で回数を増やすことは避けてください。
次のような場合は、歯科医院へ相談する目安です。
- 痛み止めを飲んでも強い痛みが続く
- いったん落ち着いた痛みが再び強くなる
- 抜歯後3〜5日頃からズキズキ痛む
- 腫れが日ごとに強くなる
- 発熱や膿、強い口臭がある
抜歯後の痛みはある程度みられるものですが、悪化する痛みには注意が必要です。薬で抑えながら我慢し続けるより、早めに確認した方が安心でしょう。
関連記事:親知らずの抜歯後にやってはいけないこと13選|痛み・食事・生活・症状の全対策ガイド
親知らず抜歯後に起こりやすい腫れや症状

親知らずを抜いた後に起こりやすい腫れや症状について説明します。
腫れのピークと落ち着くまでの目安
親知らずの抜歯後は、当日よりも翌日以降に腫れが目立つことがあります。抜歯によって歯ぐきや骨の周囲に刺激が加わり、体が傷を治そうと反応するためです。
特に下の親知らずや、歯ぐきを切開した抜歯では腫れが出やすくなります。腫れのピークは抜歯後2〜3日頃にみられることが多く、その後は少しずつ落ち着き、1週間ほどで気になりにくくなるケースが一般的です。
ただし、抜歯の難しさや体調によって経過には個人差があります。腫れが日ごとに強くなる、熱っぽさや膿を伴う場合は、歯科医院へ相談しましょう。
口の開けにくさや内出血
親知らずの抜歯後は、口が開けにくくなったり、頬に内出血が出たりすることがあります。抜歯の刺激で周囲の筋肉や組織がこわばるためです。
内出血は、頬やあごのあたりが青紫色や黄色っぽく見える状態です。見た目に驚く方もいますが、時間の経過とともに自然に薄くなることが多いでしょう。
口の開けにくさも、腫れが落ち着くにつれて改善することが一般的です。無理に大きく口を開けず、食事は口を開けなくても食べやすいものを選びましょう。
縫合の有無と術後の違和感
親知らずの抜歯では、状態によって歯ぐきを縫う場合と縫わない場合があります。歯ぐきを切開した場合や傷口を安定させたい場合は、縫合することが多いでしょう。
縫合すると、糸が舌に触れてチクチクしたり、引っ張られるような違和感を覚えたりすることがあります。強い痛みでなければ、経過の範囲内と考えやすいです。
抜糸は抜歯後1週間前後に行われることが多く、自然に溶ける糸を使う場合もあります。糸が強く当たって痛い、出血が続く場合は、歯科医院で確認してもらいましょう。
痛みや腫れを悪化させない抜歯後の過ごし方

親知らずの抜歯後に痛みや腫れを悪化させない過ごし方について説明します。
食事、飲酒、入浴、運動の注意点
親知らずの抜歯後は、傷口に負担をかけない過ごし方が大切です。
抜歯直後の傷口には、血のかたまりである血餅ができます。血餅は、傷口を守るふたのような役割を持つため、取れないように注意しましょう。
食事は、やわらかく刺激の少ないものから始めると安心です。おかゆ、スープ、卵料理、やわらかい麺類などは食べやすいでしょう。
一方で、熱いものや辛いもの、硬いものは傷口を刺激しやすくなります。抜歯した側で噛むことも、できるだけ避けてください。
飲酒や長時間の入浴、激しい運動は血流をよくします。出血や腫れが強くなることがあるため、抜歯当日は控えた方がよいでしょう。
抜歯後に気をつけたい行動は、次のとおりです。
- 熱い食べ物や飲み物を避ける
- 硬いもの、辛いものを控える
- 抜歯した側で噛まない
- 飲酒や長風呂を控える
- 激しい運動やサウナを避ける
抜歯後の数日は、普段よりも体を休める意識が必要です。無理にいつも通り過ごそうとせず、回復を優先しましょう。
強いうがいや傷口への刺激への注意
抜歯後は、強いうがいや傷口への刺激を避けることが大切です。
口の中を清潔にしたい気持ちから、何度もうがいをしたくなる方もいるでしょう。しかし、強くゆすぐと血餅が取れ、痛みが強くなることがあります。
特に抜歯当日は、ぶくぶくと強くうがいをしないようにしましょう。血の味が気になっても、軽く水を含んで流す程度にとどめます。
歯みがきは、抜歯した部分を避けて行うのが基本です。周囲を強くこすったり、歯ブラシを傷口に当てたりしないよう注意してください。
食べかすが気になっても、指や舌で触ることは避けましょう。つまようじや歯間ブラシで無理に取ろうとすると、傷口を刺激する可能性があります。
傷口は、触らない方が治りやすい場所です。気になるときほど、自己判断で触らず歯科医院へ相談すると安心です。
処方薬や痛み止めの使い方
抜歯後に処方された薬は、歯科医院の指示通りに使うことが大切です。
痛み止めは、痛みが強くなってから飲むより、案内されたタイミングで使う方が楽に過ごせる場合があります。特に麻酔が切れはじめる時間帯は、痛みが出やすいでしょう。
抗生物質が処方された場合は、自己判断で途中でやめないようにしてください。痛みが軽くなっても、決められた回数を守ることが大切です。
薬を飲む際は、用量や間隔を必ず確認しましょう。効きが弱いと感じても、自分で回数を増やすことは避けてください。
また、市販の痛み止めを追加したい場合も、事前に歯科医院へ確認すると安心です。持病がある方や、ほかの薬を飲んでいる方は特に注意が必要です。
薬は、抜歯後の回復を助けるために使うものです。正しく使いながら、痛みや腫れの変化もあわせて確認しましょう。
関連記事:親知らず抜歯後におすすめの食事は?目安と注意点を解説
茂木院長の総評|親知らずの不安は事前確認と術後ケアで軽減
親知らずの抜歯は、上と下のどちらが痛いのか不安に感じる方が多い治療です。一般的には下の親知らずの方が痛みや腫れが出やすい傾向がありますが、すべての方に当てはまるわけではありません。
痛みの出方は、親知らずの生え方や根の形、歯ぐきの炎症、虫歯の有無によって変わります。上の親知らずでも、根が曲がっていたり、副鼻腔に近かったりする場合は慎重な判断が必要です。下の親知らずでは、神経との距離を確認することも大切でしょう。
不安を減らすには、抜歯前にレントゲンやCTで親知らずの位置を確認し、麻酔や縫合、抜歯にかかる時間の目安を聞いておくことが大切です。難しい抜歯が予想される場合は、口腔外科での対応が必要になることもあります。
また、抜歯後の痛みや腫れを悪化させないためには、血餅を守る過ごし方も欠かせません。強いうがいや傷口への刺激、飲酒、長風呂、激しい運動は控え、処方された薬を指示通りに使いましょう。
当院では、患者さんとのコミュニケーションを大切にし、治療前の説明や痛みへの配慮を心がけています。親知らずの抜歯が不安な方は、我慢せずに一度ご相談ください。

歯科ハミール高田88の詳細
住所: 東京都新宿区高田馬場1−27−6 KIビル4F
JR山手線
東西線
西武新宿線 高田馬場駅から徒歩1分 BIGBOX前
電話: 03-6709-6866
当院、医療法人歯科ハミールの分院も、今後共よろしくお願いいたします。
この記事を監修した医師
赤崎 公星(あかさき こうせい)
歯科ハミール 理事長・歯科医師|愛知学院大学歯学部卒|厚生労働省認定臨床研修指導医