親知らずが生えてきたらどうする?抜くべきケースと放置してよいかを解説
親知らずが生えてきたと気づいたとき、まず確認すべきなのは「どのように生えているか」と「周囲に問題が起きていないか」の2点です。
親知らずは、生えてきたからといって必ず抜かなければならないわけではありません。
一方で、生え方によっては虫歯や歯茎の腫れなどを招くことがあります。
本記事では、親知らずが生えてきたときに取るべき行動から、抜歯を検討するケース、痛いときの対処法、受診の目安までをわかりやすく解説します。

親知らずが生えてきたらまず何をすればいい?
親知らずが生えてきたら、まずは歯科医院で状態を確認してもらうことが大切です。
そのうえで、日々のセルフケアと症状のチェックを続けることが、トラブルの予防につながります。
親知らずの生え方を歯科医院で確認する
親知らずの生え方は、見た目だけでは正確に判断できません。
口の中から見えている部分がわずかでも、歯茎や骨の中で斜めや横向きになっていることがあるためです。
歯科医院では、必要に応じてレントゲン撮影を行い、親知らずの位置や向き、手前の歯への影響などを確認します。
生え方を把握しておくことで、抜歯が必要か、経過観察でよいかを判断する材料になります。
痛みがなくても奥まで丁寧に歯磨きする
痛みがない場合でも、親知らずの周囲は奥まで丁寧に磨くことが大切です。
生えかけの親知らずは歯茎が一部かぶさっていることが多く、そのすき間に食べかすやプラークがたまりやすくなります。
汚れが残った状態が続くと、炎症や虫歯につながる可能性があります。
歯ブラシを無理に押し込むと歯茎を傷つけるおそれがあります。
ヘッドの小さい歯ブラシやタフトブラシを使い、やさしく清掃してください。
痛みや腫れがないか確認する
生えてきた親知らずに異常がないか、日頃から症状を確認しておくことも重要です。
具体的には、次のような変化に注意してください。
- 親知らず周囲の歯茎の腫れ
- 噛んだときの痛み
- 口臭や口の中の嫌な味
- 口が開けにくい
これらは、親知らずの周囲で炎症が起きているサインの可能性があります。
症状に気づいた場合は、悪化する前に歯科医院へ相談することが大切です。
親知らずが生えてきたときに見られる主な生え方

親知らずの生え方は人によって異なります。
ここでは主な生え方を4つに分けて紹介します。
どの状態に当てはまるかによって、トラブルの起こりやすさや対応が変わります。
| 親知らずの生え方 | 状態 | 起こり得るトラブル | 対応の目安 |
|---|---|---|---|
| まっすぐ生えている | 正常な向きで生えている | 磨き残しによる虫歯・歯茎の炎症 | 問題がなければ経過観察となる場合がある |
| 一部だけ生えている | 歯の一部が歯茎に覆われている | 汚れがたまりやすく、炎症が起こることがある | 丁寧な清掃と定期的な確認が必要 |
| 斜めに生えている | 手前の歯に向かって斜めに生えている | 虫歯・歯周トラブルなど | 周囲への影響を確認し、必要に応じて抜歯を検討 |
| 横向き・埋まっている | 横向き、または歯茎や骨の中に埋まっている | 炎症や手前の歯への影響など | レントゲンなどで状態を確認し、対応を判断 |
まっすぐ生えている
まっすぐ生えている親知らずは、ほかの奥歯と同じように機能することがあります。
上下の親知らずが正常に噛み合い、十分に清掃できる状態であれば、抜歯せずに経過観察できる場合があります。
ただし、歯列の最も奥に位置するため、磨き残しが生じやすい点には注意が必要です。
まっすぐ生えている場合でも、定期検診で虫歯や歯茎の状態を確認しておくことが大切です。
一部だけ生えている
歯の一部だけが歯茎から出ていて、残りが歯茎に覆われている状態を「半埋伏(はんまいふく)」と呼びます。
半埋伏の親知らずは、歯と歯茎の間にすき間ができやすく、食べかすやプラークがたまる原因となります。
この部分は歯ブラシの毛先が届きにくく、清掃が不十分になりがちです。
その結果、親知らずの周囲に炎症が起こりやすくなるため、日頃のケアと定期的な確認が欠かせません。
関連記事:親知らずが埋まってるのに腫れるのはなぜ?原因や対処法・抜歯が必要なケースを解説
斜めに生えている
親知らずが、手前の第二大臼歯に向かって斜めに生えるケースも少なくありません。
斜めに生えた親知らずと第二大臼歯の間には、歯ブラシが届きにくいすき間ができます。
すき間部分に汚れがたまると、親知らずだけでなく、手前の歯まで虫歯や歯周トラブルが起こることがあります。
親知らずだけでなく、手前の第二大臼歯に影響が及んでいないか確認することが大切です。
横向き・歯茎の中に埋まっている
親知らずは、ほぼ真横に倒れていたり、歯茎や骨の中に完全に埋まっていたりすることもあります。
真横に倒れて骨の中に埋まったものは、「水平埋伏智歯(すいへいまいふくちし)」と呼ばれる状態です。
口の中からはほとんど見えないため、存在に気づかない場合もあります。
しかし、見えていないからといって問題がないとは限りません。
周囲に炎症が生じたり、手前の歯に影響を及ぼしたりすることがあるため、レントゲンなどによる確認が重要です。
関連記事:親知らずが横向きに生えると抜歯が必要?放置するリスクと抜歯の判断基準を解説
親知らずが生えてきても必ず抜く必要はない

結論からいえば、親知らずが生えてきても必ず抜く必要はありません。
抜歯が必要かどうかは、生え方や清掃のしやすさ、周囲への影響などを総合的に見て判断します。
抜かなくてもよい可能性があるケース
以下の条件を満たす親知らずは、抜かずに経過観察とする場合があります。
- まっすぐ生えている
- 上下で正常に噛み合っている
- 歯磨きが十分にできる
- 虫歯や歯茎の炎症がない
- 周囲の歯に悪影響を与えていない
これらに当てはまる親知らずは、抜歯せずに経過観察できる場合があります。
ただし、現在問題がなくても将来の状態は変化し得るため、定期検診での確認を続けることが大切です。
抜歯を検討するケース
一方、以下のような場合は、抜歯が選択肢となることがあります。
- 斜めや横向きに生えている
- 痛みや腫れを繰り返している
- 親知らずや手前の歯が虫歯になっている
- 清掃が難しく炎症を起こしている
- 周囲の歯や組織に悪影響が生じている
これらの状態を放置すると、トラブルが繰り返されたり、健康な歯にまで影響が広がったりするおそれがあります。
抜歯の要否は歯科医師が個別に判断するため、まずは診察を受けてください。
親知らずが生えてきたときに起こりやすい症状

親知らずが生えてくる過程では、痛みや腫れなどの症状が現れることがあります。
以下の代表的な症状を知っておくと、受診の判断がしやすいです。
- 奥歯のさらに奥が痛む・違和感がある
- 親知らずの周りの歯茎が腫れる
- 口臭や嫌な味が気になる
- 口が開けにくい・飲み込みにくい
順に見ていきましょう。
奥歯のさらに奥が痛む・違和感がある
親知らずが生えてくる際には、奥歯のさらに奥や違和感や軽い痛みを覚えることがあります。
痛みが強い場合や長く続く場合は、親知らずの周囲で炎症が起きている可能性が考えられます。
違和感が一時的なものか、炎症によるものかを自己判断するのは難しいため、症状が続く場合は歯科医院で確認してもらいましょう。
親知らずの周りの歯茎が腫れる
親知らず周辺の歯茎が腫れる原因として代表的なのが、「智歯周囲炎(ちししゅういえん)」です。
智歯とは親知らずのことで、智歯周囲炎はその周囲の歯茎に起こる炎症を指します。
生えかけの親知らずは歯茎が一部かぶさっているため、すき間に汚れがたまり、細菌が繁殖しやすい状態です。
智歯周囲炎では、症状が一度治まっても、再び腫れや痛みが生じることがあります。
口臭や嫌な味が気になる
親知らずの周辺から口臭や嫌な味を感じる場合は、清掃不良や炎症が関係している可能性があります。
親知らずと歯茎のすき間に汚れや細菌がたまると、口臭につながりかねません。
また、炎症が進んで膿が出ると、口の中に嫌な味を感じることもあります。
歯磨きをしても口臭が改善しない場合は、親知らずの周囲に原因がないか、歯科医院で確認することが大切です。
口が開けにくい・飲み込みにくい
炎症が広がると口が開けにくかったり、飲み込みにくかったりする症状が見られることがあります。
親知らずの周囲の炎症は、口を開け閉めする筋肉や喉の近くにまで影響が及ぶことがあるためです。
このような症状がある場合は、セルフケアで様子をみるのではなく、早めに歯科医院を受診してください。
発熱や顔の腫れを伴う場合は、とくに速やかな対応が必要です。
親知らずが生えてきて痛いときの対処法

親知らずが生えてきて痛いときは、応急的なセルフケアで症状を和らげられる場合があります。
ただし、いずれも一時的な対処であり、根本的な解決には歯科医院での診察が必要です。
親知らずの周囲を清潔にする
痛みがあるときも、親知らずの周囲を清潔に保つことが基本です。
汚れが残ったままだと細菌が増え、炎症が悪化するおそれがあります。
やわらかめの歯ブラシやタフトブラシを使い、歯茎を傷つけないよう小刻みに動かしてください。
痛みが強くブラシを当てにくい場合は、無理に患部を刺激せず、軽くうがいをして口の中を清潔に保ちましょう。
無理に磨こうとせず、できる範囲で清潔を保つことが大切です。
痛みが強い場合は市販の鎮痛薬を使用する
痛みが強く日常生活に支障がある場合は、市販の鎮痛薬を使用する方法があります。
服用する際は、添付文書に記載された用法・用量を必ず守ってください。
持病がある方や、ほかの薬を服用している方は、服用前に医師や薬剤師へ相談してください。
なお、鎮痛薬は痛みを一時的に和らげるためのもので、原因そのものへの治療ではありません。
痛みを繰り返す場合や症状が続く場合は、歯科医院を受診してください。
頬の外側から冷やす
腫れや痛みがあるときは、頬の外側から軽く冷やすことで症状が和らぐ場合があります。
冷やす場合は、濡らしたタオルなどを頬に当て、冷やしすぎないよう注意してください。
氷や保冷剤を直接肌に当てたり、長時間冷やし続けたりすることは避けましょう。
また、患部を積極的に温めると、痛みが強くなる場合があります。
自分で親知らずや歯茎を触らない
親知らずや腫れた歯茎が気になっても、指やつまようじなどで患部を刺激することは避けてください。
患部を刺激すると、細菌が入り込んだり傷ができたりして、炎症を悪化させる可能性があります。
とくに、腫れた歯茎を押したり、自分で膿を出そうとしたりすることは避けましょう。
痛みや腫れが気になる場合は、自分で処置しようとせず、歯科医院に相談することが大切です。
生えてきた親知らずを放置するとどうなる?

生えてきた親知らずを放置しても、必ず問題が起こるわけではありません。
ただし、生え方や清掃状態によっては、以下のようなリスクが生じることがあります。
- 親知らずの周囲で袁逢を繰り返すことがある
- 親知らずが虫歯になることがある
- 手前の歯まで部芝や歯周トラブルが起こることがある
親知らずの周囲で炎症を繰り返すことがある
清掃しにくい親知らずを放置すると、周囲の歯茎で炎症を繰り返すことがあります。
一度症状が治まっても、汚れがたまりやすい状態が続いていると、再び腫れや痛みが生じることも起こり得ます。
炎症を繰り返すうちに症状が強くなることもあるため、注意が必要です。
何度も腫れる場合は、原因となっている親知らずへの対応を歯科医師と相談することが望まれます。
親知らずが虫歯になることがある
親知らずは口の中の最も奥にあり、歯ブラシが届きにくいため、虫歯のリスクが高くなりやすい歯です。
とくに一部だけ生えている場合や斜めに生えている場合は、磨き残しが生じやすくなります。
親知らずの虫歯は自覚しにくく、気づいたときには進行していることも少なくありません。
また、位置や生え方によっては虫歯治療が難しく、親知らずの状態や周囲への影響を踏まえて抜歯が選択される場合もあります。
手前の歯まで虫歯や歯周トラブルが起こることがある
斜めや横向きの親知らずと第二大臼歯の間は、歯ブラシが届きにくい部分です。
ここに汚れがたまると、手前の第二大臼歯が虫歯や歯周トラブルを起こす原因になります。
歯と歯の間の虫歯は発見が遅れやすく、気づかないうちに進行することもあります。
親知らずだけでなく、手前の歯を守る視点で状態を確認しておくことが重要です。
親知らずが生えてきたら歯医者へ行くべき?受診の目安

親知らずが生えてきたら、痛みがなくても、定期検診などの機会に生え方や周囲の状態を確認してもらうとよいでしょう。
症状がある場合は、早めの受診が必要です。
早めに受診したい症状
次のような症状がみられる場合は、できるだけ早く歯科医院を受診してください。
- 強い痛みがある
- 歯茎が大きく腫れている
- 膿が出る
- 痛みや腫れを繰り返している
- 口が開けにくい
- 飲み込みにくい
- 発熱など全身症状を伴う
これらの症状がある場合は、親知らずの周囲で炎症が生じている、または広がっている可能性があります。
症状が強い場合や悪化している場合は、我慢せず早めに歯科医院へ相談してください。
痛くなくても一度状態を確認しておくとよい
痛みがないからといって、親知らずに問題がないとは限りません。
親知らずの虫歯や、手前の歯との間に生じた虫歯は、初期段階では自覚症状が乏しいことがあるためです。
歯科医院で生え方や周囲の状態を確認しておけば、抜歯が必要か、経過観察でよいかの判断材料になります。
将来のトラブルに備える意味でも、定期検診などの機会に一度確認してもらうことをおすすめします。
親知らずが生えてきたときによくある質問

ここでは、親知らずが生えてきたときに多くの方が疑問に感じやすい点についてお答えします。
親知らずが生えてきたら何歳でも抜けますか?
親知らずの抜歯に、一律の年齢制限はありません。
ただし、抜歯の難易度や処置に伴うリスクは、親知らずの位置や根の形、周囲の骨や神経との位置関係、全身の健康状態などによって異なります。
また、持病がある場合や服用中の薬がある場合は、全身状態や薬の種類を確認したうえで抜歯の可否や方法を検討します。
抜歯を検討している方は、年齢や全身の健康状態も踏まえて、歯科医師と相談してください。
親知らずが生えてきたけど痛くない場合は放置しても大丈夫ですか?
痛みがない場合でも、放置してよいとは限りません。
親知らずや手前の歯の虫歯は、自覚症状がないまま進行することがあります。
まっすぐ生えていて清掃ができており、周囲に悪影響がなければ経過観察となる場合もあります。
一方、斜めや横向きに生えている場合は、手前の歯や周囲の組織への影響も含めて確認する必要があります。
まずは歯科医院で状態を確認し、対応を判断することが大切です。
親知らずが少しだけ生えてきた状態でも抜歯できますか?
親知らずが少しだけ生えている状態でも、生え方や周囲の状態によっては抜歯できます。
歯茎に覆われている部分がある場合は、生え方に応じて歯茎を切開することがあります。
骨の中に埋まっている部分が多いときは、骨を一部削ったり、歯を分割したりして取り出すこともあります。
処置の方法は生え方によって異なるため、事前にレントゲンなどで状態を確認したうえで決定するのが一般的です。
親知らずが生えきるまでどのくらいかかりますか?
親知らずが生えきるまでの期間には個人差が大きく、一概に何か月や何年とはいえません。
親知らずは個人差がありますが、10代後半から20代前半にかけて生え始めることが多いとされています。
ただし、顎のスペースが不足している場合は途中で止まったり、生えきらないまま埋まった状態が続いたりすることもあります。
生えてくる様子が気になる場合は、歯科医院で親知らずの向きや位置を確認してもらいましょう。
茂木院長の総評|親知らずが生えてきたら生え方と周囲の状態を確認しよう
親知らずが生えてきても、必ず抜歯が必要になるわけではありません。
まっすぐ生えていて清掃ができ、周囲に悪影響がなければ、経過観察となる場合もあります。
一方、斜めや横向きに生えている場合や、痛み・腫れを繰り返している場合は、状態によって抜歯が選択肢となることがあります。
大切なのは、見た目や痛みの有無だけで自己判断しないことです。
歯科医院で生え方と周囲の状態を確認し、適切な対応を相談してください。
歯科ハミール高田88では、親知らずの生え方や周囲の状態を確認したうえで、抜歯が必要かどうかを判断しています。「残せる親知らずは残す」という視点も含めて診断し、抜歯が必要な場合は、リスクや術後の経過について説明したうえで処置を行います。
高田馬場駅から徒歩1分の立地で、土日も診療しているため、平日の通院が難しい方も受診しやすい環境です。「親知らずが生えてきたけれど、抜くべきかわからない」という方は、当院へお気軽にご相談ください。
